プロローグ


I've lived a life that's full I've traveled each and every highway
(wrriten by paul anka)


上記の歌詞は、フランクシナトラの「my way」に出てくる一節である。 私を旅へと駆り立てる一番の動機になっている曲だ。 日本で「my way」と言えば、かつて布施明が日本語で歌い大ヒットし、 カラオケで上司が歌うと嫌な歌ナンバーワンになる曲、というのが 私たち世代の印象で、もっと若い人たちになるとDefTecの「my way」しか 思い浮かばないかもしれない(私はそっちの方が思い浮かばないが…)。 もちろん私も、ちょっと古くさい曲だよな〜くらいにしか思っていなかった。 そんな私がこの曲の良さを教えられたのは、外国人からだった。 かつて海外に意味もなく無駄に語学留学をしていたとき、そこで友達になったインドネシア人が、 「僕が英語の勉強をしていたとき、訳してみて初めて涙した曲なんだ。君も訳してみるといい」 と言って聞かせてくれた(最初は、こんな渋い曲を選んでくるその子に対して、 日本のおじさんたちを見るようなイメージを持ってしまった…)。 でも、よくよく意味を吟味しながら聞いてみると、これが船出の歌ではなく、 辞世の歌だということがわかった。泣けるというよりも、すごく勇気が 湧いてくる歌詞だった。そして、深い感動を覚えた。 自分の人生を振り返って、少しの後悔はあるけれど、比べ物にならないくらい 素晴らしく満ち足りていた、という歌詞なんだけど、人生の最期にそういう風に 言えることって実は最終目標というか、それこそが幸せだって言えること なんじゃないかなぁって思う。 中でも、個人的には冒頭のフレーズがすごく気に入って、私もいろんなところに 旅して泣いて笑って自分に素直に生きていきたい、そんな風に自然と思えた。 いつも否定から入りひねくれてばかりいるこの私が、である。 現実の自分は、間違いなく後悔だらけの人生で、最期のときを迎えたって、 「我が人生に何十点もの悔いだらけ!」と叫ぶこと必至だけど、 この曲を聴いてる時だけは、なんだか前向きになって、自分の人生をより良くしていきたいと 思えるのだった。 何しろ前述のインドネシア人なんて、自国の大統領になることを本気で目指している。 そんな風に人を前向きにしてしまうかなり筋金入りの曲なんである。 この曲は、元々フランスの歌だったほかに、プレスリー、シドビシャス、スワロウテイルバタフライバンドなんかがカバーしていて、特にチャラが歌う女性を主語にした歌も素敵だ。








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